弁護士 師子角允彬のブログ

師子角総合法律事務所(東京:水道橋駅徒歩5分・御茶ノ水駅徒歩7分)の所長弁護士のブログです

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

過労死ラインを超える残業と固定残業代

1.過労死ラインを超える残業と固定残業代 ネット上に「【自販機ブラック労働】 過労死ライン軽く超え、残業代未払い」とのネット記事が掲載されていました。 https://blogos.com/article/374191/ 記事には、 「ドリンクのボトルや缶を補充するルートドライ…

トラブル解決には裁判よりも労働局の「あっせん」か?

1.トラブル解決には裁判よりも労働局の「あっせん」か? ネット上に「中小企業なら普通"理不尽な解雇"のヤバさ」という記事が掲載されていました。 http://news.livedoor.com/article/detail/16390024/ 記事の中に、 「■トラブル解決には裁判よりも『あっ…

約束通りに仕事を発注してくれない

1.特定の取引先に依存しているフリーランスの方は多い 平成30年3月30日に公表された「雇用類似の働き方に関する検討会」報告書に、 JILPIT『独立自営業者の就業実態と意識に関する調査(ウェブ調査)」(速報)概要 という資料が添付されていま…

公立学校教師の残業代・部活動顧問問題と措置要求制度の持つ可能性

1.公立学校の教師には残業代が出ない 既に各種メディアに取り上げられている問題ではありますが、公立学校の教育職員には残業代が支給されません。 これは、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法という法律で、 「時間外勤務手当及…

ホテルの備品を持ち帰る 「弁護士がいいと言った」は通用するか?

1.ホテルの備品の持ち帰りの可否に関するネット記事 「弁護士に聞いた!ホテルの備品で持ち帰りOKなもの、持ち帰ると罪になるもの」という記事が掲載されていました。 http://news.livedoor.com/article/detail/16375592/ 記事は、 「小分けされているシャ…

芸能人・アイドルに対する安全配慮義務

1.日本エンターテイナーライツ協会の声明 「アイドルグループ『NGT48』の山口真帆さん(23)が卒業を発表したことを受け、弁護士らで構成される『芸能人の権利を守る 日本エンターテイナーライツ協会』が2019年4月25日、声明を発表した。」 との…

地方公務員である自動車運転士のコンビニ店員へのセクハラ(フリーランスへのセクハラ問題とも関連)

1.自動車運転士(地方公務員)のコンビニ店員へのセクハラ 労働経済判例速報という雑誌の2019年4月20号に、コンビニエンスストア店員へのセクハラ行為を理由とする停職処分が適法とされた最高裁判例が掲載されていました(最三小判平30.11.6…

コンビニに24時間営業を義務付けることの問題点(フリーランス・個人事業主の適正な働き方を守るための競争法の可能性)

1.コンビニの店主が本部に24時間営業の見直しを求めた件 昨今、コンビニの店主に24時間営業を義務付けるフランチャイズ契約の在り方が話題になっています。 これに関連し、 「コンビニの店主が24時間営業の見直しを求め、本部がこれを一方的に拒んで…

公務員はリストラされない?

1.公務員は安定している? 公務員は安定していると言われます。余程の不祥事でも起こさない限り、クビにならないという意味合いで使われることが多い言葉だと思います。 公務員の身分は法律で保障されています。 国家公務員を例にすれば、国家公務員法75…

職場は職員の身だしなみにどこまで介入できるのか?

1.職場は職員にひげを剃らせることができるか ひげを剃って業務に従事しない公務員を、人事考課で不利益に査定することの適否が争われた事件がありました。 大阪地判平31.1.16労働判例ジャーナル85-34大阪市(大阪市高速電気軌道)事件です。 …

早期退職しない限り続く面談の問題点

1.早期退職しない限り続く面談 「早期退職しない限り面接が続き…『45歳以上クビ切り』横行中」というネット記事が掲載されていました。 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190422-00010000-flash-peo 記事によると、 「人手不足が叫ばれるなか…

裁量労働制を利用した残業代不払い問題

1.裁量労働制は残業代不払いを合法化するものか? 先日、インターネット上に「労基署が大手に是正勧告…芸能プロはやはりブラック企業なのか」という記事が掲載されていたことを紹介しました。 https://sskdlawyer.hatenablog.com/entry/2019/04/20/195659 …

「残業代を支払わないで済む裏技」なるものへの疑義

1.大手芸能事務所への是正勧告 上限を超える時間外労働(残業)をさせたなどして、複数の大手芸能事務所が労働基準監督署から是正勧告を受けたという記事が配信されていました。 http://news.livedoor.com/article/detail/16313169/ 中には月500時間働…

老人ホーム入居中の親と会うことができない

1.老人ホーム入居中の親との面会が妨害された事件 認知症で老人ホームに入居中の両親の長女(X)が、長男(Y)によって両親との面会を妨害されているとして、老人ホームと長男を相手方に面会交流を妨害しないことを求めた事件がありました。 長女(X)は面…

パワハラで高額の慰謝料を認定してもらうには

1.一般論としていえば、パワハラの慰謝料は伸びにくい 一般論として言うと、パワハラの慰謝料は伸びにくいです。 以前、このブログでもご紹介させて頂きましたが、落ち武者風の髪型にされたり、洗車用ブラシで身体を洗われたり、下着1枚の姿で川の中に入…

給与減額「裁判でも何でもどうぞ」挑発の代償

1.「裁判でも何でもどうぞ」 一方的に給与の減額を通告され、会社の代表から「裁判でも何でもどうぞ」と言われたなどとして、減給無効確認や慰謝料などを求めた訴訟の判決があったようです。 https://www.asahi.com/articles/ASM4J5TBZM4JTIPE02R.html 記…

加圧シャツと消費者庁の措置命令

1.加圧シャツを対象とした措置命令 先月22日、消費者庁が 「着るだけで圧力によって体が『痩せる』『筋肉が付く』とうたう男性向けの『加圧シャツ』の広告は科学的根拠がなく、景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、販売会社「イッティ」(東京・…

パワハラ上司個人を訴えられるか?(公務員の場合)

1.会社よりも加害者である上司が許せないという人もいる パワーハラスメントに関する相談を受けていると、会社よりもハラスメントの加害者である上司に対して強い被害感情を持つ方がいます。 こうした方から、加害者である上司個人を訴えてくれという依頼…

就業規則の改定で残業問題を解消できるか?

1.就業規則の改定で残業問題を解決できるか? 「残業代目当ての社員を帰らせる唯一の方法」なる表題のネット記事が掲載されていました。 https://president.jp/articles/-/28156 記事は社会保険労務士の言葉として、 「法律では残業したい労働者を規制でき…

フリーランス・個人事業主として働く人を守ってくれる法制度

1.フリーランス・個人事業主としての働く人は増加している 働き方の多様化に伴い、企業に雇用されず、フリーランス・個人事業主として働いている人が増加しています。 読売新聞の記事によると、厚生労働省が「企業から個人で発注を受けて仕事をする事業主…

妻からのDVが原因で浮気をしたと相談されたらどうするか

1.妻からのDVが原因で浮気をした夫。裁判で勝ち目がないと言われ・・ 「妻からのDVが原因で浮気をした夫。裁判で勝ち目がないと言われ・・・」というネット記事が掲載されていました。 http://news.livedoor.com/article/detail/16301095/ 記事によると、…

無期転換ルールを避けるための雇い止めは許されるのか?

1.横浜の私立高で大量退職 横浜の私立高で大量退職「非正規教員を使い捨て」との記事が掲載されていました。 http://news.livedoor.com/article/detail/16309557/ 学校法人の中高一貫校で、非正規雇用の教員の雇い止めが相次ぎ、大量の退職者が出ていると…

マタハラの慰謝料(誠実交渉義務・情報提供義務違反の慰謝料)

1.誠実に交渉をしなかったこと等を理由に100万円の慰謝料が認定された事例 労働判例という雑誌の最新号(平成31年4月15日号)に、育児休業後に契約社員になった元正社員から、正社員に戻して欲しいという要望を受けた会社が、不誠実な対応に終始し…

無罪推定の原則と犯罪を理由とする解雇

1.無罪推定の原則は労働事件に使えるか? 無罪推定の原則という言葉があります。 これは、「有罪の判決があるまでは被疑者、被告人は有罪ではないとされること」(法令用語研究会編『法律用語辞典』〔有斐閣,第4版,平24〕1101頁参照)を意味する…

取締役解任に合理的な理由はいるのか?

1.ゴーン氏とケリー氏の取締役解任 日産のゴーン氏とケリー氏が取締役を解任されたとの報道がありました。 そのことに関し、弁護士資格を持つ方から、 「無罪推定の原則は、株主総会の議決を左右しない。」 「勿論、何らの明白な合理的理由もなく株主総会…

ピエール瀧に関係する離婚報道

1.ピエール瀧に関係する離婚報道 「ピエール瀧 5億円借金で苦渋の決断『家族のために離婚を…』」という表題の記事が掲載されていました。 http://news.livedoor.com/article/detail/16292681/ 記事には、「その他CMなどもろもろ合わせると、違約金は総…

隠し子を認知する方法 戸籍ロンダリング?

1.隠し子を認知する方法 戸籍ロンダリング? 相続トラブルなぜ起きる「戸籍ロンダリング」で隠し子を認知との記事が掲載されていました。 http://news.livedoor.com/article/detail/16279330/ 記事には、隠し子を認知する方法として、 「『転籍』してから…

公務員-依願退職で懲戒免職(退職金・退職手当の不支給)を免れられるか

1.停職12か月→依願退職したケニア大使 駐ケニア大使が「セクハラの疑い」で停職12か月の懲戒処分を受け、依願退職したとの記事が掲載されていました。 http://news.livedoor.com/article/detail/16280292/ 不祥事を起こした公務員が依願退職すると、退…

公務員の懲戒免職と退職金(退職手当)

1.懲戒免職処分を受けると退職金(退職手当)は出ない? 公務員は懲戒免職になると退職金が出ないという言説を時々耳にします。 しかし、これは正確ではありません。懲戒免職になったとしても、退職金が(一部)支給されることは、ないわけではありません…

パワハラの慰謝料

1.パワハラの慰謝料は伸びにくい 以前、労働局に寄せられる相談の中で、いじめ・嫌がらせ(パワハラ)の件数が6年連続で最多となっているというお話をしました。 平成29年度では、25万3005件の相談の中で、7万2067件が、いじめ・嫌がらせに…