2026-03-01から1ヶ月間の記事一覧
1.諾否の自由があったことを否定する根拠 昨日、労働者性の判断にあたり、「諾否の自由」が重要な考慮要素とされている一方、その意味内容が良く分からないという話をしました。 意味内容が分からないことは、労働者側から見ると、 ① 諾否の自由がなかった…
1.労働者性の判断基準 労働法の適用を受けないようにするため、業務委託や請負といった法形式が使われることがあります。 しかし、こうした法形式を使いさえすれば適用を免れることができるとなると、労働法で定められているルールは死文化してしまいます…
1.通勤は「職務」なのか? 休職している方が復職するためには、傷病が「治癒」したといえる必要があります。 ここでいう「治癒」とは「従前の職務を通常の程度に行える健康状態に回復したこと」をいいます(佐々木宗啓ほか編著『類型別 労働関係訴訟の実務…
1.解雇の違法無効-地位確認請求に併合して損害賠償(慰謝料)を請求できる場合 解雇が違法無効であるとして、労働契約上の地位の確認を求めるにあたり、 違法無効な解雇権の行使を受けて、精神的な苦痛を被った、 と主張し、不法行為(民法709条)に基…
1.勤務成績不良を理由とする解雇 大抵の会社において、勤務成績不良は解雇事由とされています。 例えば、厚生労働省が作成、公表しているモデル就業規則は、 「勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等就業に…
1.管理監督者性 管理監督者には、労働基準法上の労働時間規制が適用されません(労働基準法41条2号)。俗に、管理職に残業代が支払われないいといわれるのは、このためです。 残業代が支払われるのか/支払われないのかの分水嶺になることから、管理監…
1.退職後の競業避止義務を定める合意 会社と従業員との間で交わされる退職後の競業避止義務を定める合意の効力は、一般に、次のとおり理解されています。 「就業規則によって退職後の競業行為を禁止したとしても、退職後には労働者に職業選択の自由(憲2…
1.退職後の競業避止義務を定める合意 会社と従業員との間で交わされる退職後の競業避止義務を定める合意の効力は、一般に、次のとおり理解されています。 「就業規則によって退職後の競業行為を禁止したとしても、退職後には労働者に職業選択の自由(憲2…
1.高賃金の労働者に対する解雇 一般論として言うと、賃金の高い労働者は、賃金の低い労働者よりも、解雇の有効性が認められやすい傾向にあります。これは労働契約において提供することが想定されている労務の水準が高いからです。佐々木宗啓ほか編著『労働…
1.労働災害/公務災害 「労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡」は労働者災害補償保険法に基づく保険給付の対象になります(労働者災害補償保険法7条1項1号参照)。 公務員の場合、「公務上の災害(負傷、疾病、障害又は死亡・・・)」に対して補…
1.脳・心臓疾患の労災補償 令和3年9月14日基発0914第1号「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」(令和5年10月18日 改正基発1018第1号)は、脳梗塞や心停止などの脳・心臓疾患が労…
1.証拠保全と相手方による弁護士の選任 民事訴訟法234条は、 「裁判所は、あらかじめ証拠調べをしておかなければその証拠を使用することが困難となる事情があると認めるときは、申立てにより、この章の規定に従い、証拠調べをすることができる」 と規定…
1.労働時間を確認するための資料を提供してくれない場合 時間外勤務手当等(残業代)を請求したり、過重労働を理由として損害賠償を請求したりするにあたっては、労働時間を確認するための資料が必要になります。それは、タイムカードであったり、出勤簿で…
1.合意退職の争い方 労働者と使用者とで退職を合意することを合意退職といいます。 合意退職は契約であって解雇ではありません。したがって、解雇権の行使を厳しく制限する労働契約法16条の適用を受けることはありません。契約として民法上の意思表示理…
1.「解雇ではない」の強弁 就業規則は使用者が作成、変更することができます。過半数組合や過半数代表者の意見を聴取しなければならないという規制はありますが(労働基準法90条1項)、飽くまでも作成、変更の主体は使用者です。 そうした背景もあり、…
1.法人の理事 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律76条1項は、 「理事は、定款に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。」 と規定しています。理事会が置かれて…
1.労災の不支給処分に対する不服申立手続 労働者災害補償保険法に基づく保険給付を申請し、不支給処分を受けた人は、その取消を求めて不服を申し立てることができます。 ただ、不支給処分の取消を求める訴えは、 「当該処分についての審査請求に対する労働…
1.自然退職と解雇 自動的に退職することを「自然退職」といいます。 自然退職は私傷病休職の場面で使われることが多く見られます。 例えば、厚生労働省が作成しているモデル就業規則の第9条3項は、 「第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもな…
1.服務規律違反を理由とする懲戒処分 大抵の就業規則には、服務規律が規定されています。 例えば、厚生労働省が作成、公表しているモデル就業規則には、 「労働者は、職務上の責任を自覚し、誠実に職務を遂行するとともに、会社の指示命令に従い、職務能率…
1.産前産後休暇中の解雇 労働基準法19条1項本文は、 「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはな…
1.就業規則や賃金規程との一体性が怪しい文書 就業規則や賃金規程を運用して行くにあたっては、内部的な運用基準が作られることがあります。この内部的な運用基準の中には、一般労働者には公開されておらず、経営陣のみが把握しているものもあります。 し…
1.懲戒解雇されたことは秘密として守られるか? 懲戒解雇された方が気に掛けることの一つに、 「懲戒解雇されたことが、他の人に知られないか?」 というものがあります。 懲戒解雇されたからといって、必ずしも悪いことをしたとは限りません。理由のない…
1.退職勧奨/自主降任勧奨 退職勧奨の許容性については、一般に次のように理解されています。 「退職勧奨は,基本的に労働者の自由な意思を尊重する態様で行われる必要があり,この点が守られている限り,使用者はこれを自由に行うことができる。」 (中略…
1.退職勧奨/自主降任勧奨 退職勧奨の許容性については、一般に次のように理解されています。 「退職勧奨は,基本的に労働者の自由な意思を尊重する態様で行われる必要があり,この点が守られている限り,使用者はこれを自由に行うことができる。」 (中略…
1.事業場を単位とする規制 労働基準法は、基本的に「事業」や「事業場」を単位とした規制をしています。 例えば、時間外労働や休日労働を可能にするための要件として、労働基準法36条1項は、 「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組…
1.古い事件は争いにくいのが原則だが・・・ 過去にも言及したことがありますが、古い事件を掘り起こすのは基本的には困難です。かなり問題のある解雇であったとしても、何年も前の解雇の効力を問題にできるかといえば、問題にできないことの方が圧倒的に多…
1.労働契約の不履行についての違約金 労働基準法16条は、 「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」 と規定しています。いわゆる労働契約の不履行についての違約金の禁止を定めたものです。こ…
1.外国人労働者からパスポートを預かる問題 使用者が外国人労働者からパスポート(旅券)を預かるという問題があります。 その目的は逃亡の防止にあります。 冗談のように聞こえるかも知れませんが、これは割とメジャーな問題で、法的な規制の対象となって…
1.違法無効な解雇後の賃金請求と就労意思(労務提供の意思) 解雇されても、それが裁判所で違法無効であると判断された場合、労働者は解雇時に遡って賃金の請求をすることができます。いわゆるバックペイの請求です。 バックペイの請求ができるのは、民法…
1.懲戒事由に該当する行為(処分対象行為・非違行為)の特定 「契約上の根拠に基づいて懲戒権が有効に行使されるためには,懲戒の事由と種別を定めた根拠規定が存在するだけでなく,問題となる労働者の行為が根拠規定に定められた懲戒事由に該当すること(…