2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧
1.タイムカードの威力 残業代請求にあたり、タイムカードは「機械的正確性があり、成立に使用者が関与していて業務関連性も明白な証拠」として位置付けられています。 そして「タイムカード・・・等による客観的記録を利用した時間管理がされている場合に…
1.職能資格制度 職能資格制度とは、従業員の能力の程度に応じて役職とは異なる「資格」を付与する制度をいいます。 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000681930.pdf ここでいう「職能」とは、技能経験の蓄積の結果としての職務遂行能力を意味し、…
1.ハラスメントを理由とする解雇 セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなどのハラスメントに対する意識は、一昔前よりも随分と高まっています。慰謝料額は措くとして、ハラスメントの成否という意味では、裁判所の姿勢も、傾向的には厳しくなって…
1.配転に伴う賃金減額 降職に伴う賃金減額は、 「就業規則において降職と賃金減額が連動することが明らかとされているのであれば、賃金減額それ自体の有効性ではなく、賃金減額をもたらす降職の有効性」 という形で問題となり、職能資格や資格等級等の低下…
1.退職金不支給・減額条項の限定解釈 懲戒解雇など一定の事由がある場合に、就業規則等で退職金を不支給・減額支給とする条項が置かれることがあります。これを退職金不支給・減額条項といいます。 この退職金不支給・減額条項に基づいて、退職金を不支給…
1.割増賃金(残業代)の計算方法 割増賃金(残業代)は、 通常の労働時間の賃金の計算額×割増率 によって計算されます。 通常の労働時間の賃金は、 時間単価×時間外労働等の時間数 によって表されます。 時間単価は、月給制の場合、 月によって定められた…
1.実労働時間の主張立証責任 割増賃金(残業代)を請求するにあたっての実労働時間の主張立証責任は、原告である労働者の側にあります。したがって、割増賃金を請求するにあたっては、労働者の側で始業時刻・終業時刻を特定し、その間、労務を提供していた…
1.労災保険制度とメリット制 労働者災害補償保険法は、業務災害や通勤災害により被災した労働者に対し、手厚い保険給付を行うことを規定しています。 この保険給付を行うための費用は、原則として事業主が負担する保険料によって賄われています。事業主が…
1.懲戒権行使としての降格/人事権行使としての降格 古くからある問題の一つに、懲戒解雇を普通解雇に転換できるか? という論点があります。 この論点に関しては、一般に、次のように理解されています。 「使用者が普通解雇の予備的な意思表示をしていな…
1.人間関係からの切り離し 職場におけるパワーハラスメントとは、 職場において行われる ① 優越的な関係を背景とした言動であって、 ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、 ③ 労働者の就業環境が害されるものであり、 ①から③までの要素を全て満…
1.セクシュアルハラスメントに対する過剰反応や冤罪 最一小判平27.2.26労働判例1109-5L館事件が、 「職場におけるセクハラ行為については、被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、職場の人間関係の悪化等を懸念して、…
1.整理解雇の四要素~ある要素は積極・別の要素は消極の場合 整理解雇とは「企業が経営上必要とされる人員削減のために行う解雇」をいいます(佐々木宗啓ほか編著『類型別 労働関係訴訟の実務Ⅱ』〔青林書院、改訂版、令3〕397頁)。 整理解雇の可否は…
1.教員と保護者との性的関係・性行為 教員の方が起こす性的不祥事というと、児童・生徒を対象とするわいせつな行為を連想される方が多いのではないかと思います。 確かに、そういった事例も相当数あるのですが、実務上、児童・生徒の保護者と性行為に及ぶ…