2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧
1.懲戒解雇の効力をめぐって係争中に行われる普通解雇 懲戒解雇は制裁として行われる解雇です。労働者に与える不利益の大きさから、有効となるためには、それ相応の事情が必要になります。また、手続的にも刑事手続に準じた厳格さが求められます。その効力…
1.古い行為の蒸し返し 一般に、解雇は、労働者と使用者との関係が徐々に悪化して行く中で行われます。このような経過をたどった解雇事件の相談を受けていると、解雇事由の中に、かなり昔の出来事で、当時は特に問題視されていなかったものまで含まれている…
1.性同一性障害者と性自認に応じたトイレの自由利用 以前、性同一性障害を持つ方が性自認に応じたトイレを利用することの可否が問題になった裁判例を紹介しました。 性同一性障害者が自認する性別に対応するトイレを使用する利益と行政措置要求の可能性 - …
1.固定残業代の有効要件 最一小判令2.3.30労働判例1220-5 国際自動車(第二次上告審)事件は、固定残業代の有効要件について、 「通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要であ…
1.事業場外労働のみなし労働時間制(事業場外みなし労働時間制) 労働基準法38条の2第1項は、 「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただ…
1.正規職員の労働条件の不利益変更を伴う非正規職員との格差是正 労働契約法20条に、 「有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の…
1.職業差別的な言動 職業に貴賎なしという言葉があります。しかし、総合職と一般職、弁護士とパラリーガル、医師と看護師といった権威勾配のある組合せのあるチームの中では、権威の高い側から権威の低い側に対して職業差別的・侮蔑的な発言がなされること…
1.化学物質過敏症 化学物質過敏症とは、 「過去にかなり大量の化学物質に一度曝露された後、または長期間慢性的に化学物質の曝露を受けた後、非常に微量の化学物質に再接触した際にみられる不快な臨床症状」 を言います。 化学物質過敏症は、空気中に微量…
1.化学物質過敏症 化学物質過敏症とは、 「過去にかなり大量の化学物質に一度曝露された後、または長期間慢性的に化学物質の曝露を受けた後、非常に微量の化学物質に再接触した際にみられる不快な臨床症状」 を言います。 化学物質過敏症は、空気中に微量…
1.取締役個人に対する賃金相当額の損害賠償請求 賃金を支払わない会社の中には、支払わないというよりも(資金が払底していて)支払えない会社が少なくありません。 こうした場合、賃金の支払いを受けられない労働者は、取締役の個人責任を追及することは…
1.法人格否認の法理 法人格否認の法理とは、 「ある法人を実質的に支配している者が、法人格が異なることを理由に責任の帰属を否定することが正義・衡平の原理に反すると考えられる場合に、信義則(民法1条2項)上、そのような主張をすることを許さないも…
1.固定残業代の有効要件 最一小判令2.3.30労働判例1220-5 国際自動車(第二次上告審)事件は、固定残業代の有効要件について、 「通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要であ…
1.固定残業代の有効要件 最一小判令2.3.30労働判例1220-5 国際自動車(第二次上告審)事件は、固定残業代の有効要件について、 「通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要であ…
1.足元を掬う懲戒処分 会社が労働者を解雇するにあたっては、事前に注意・指導したり、懲戒処分を行ったりするなど、改善の機会を与えていたのかどうかが重要な意味を持つことが少なくありません。そのため、解雇対象者として使用者から目を付けられた労働…
1.懲戒権濫用 労働契約法15条は、 「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その…
1.戒告・譴責の無効を確認する利益 戒告・譴責といった具体的な不利益と結びついていない軽微な懲戒処分の効力が無効であることの確認を求める事件は、「訴えの利益」が否定されることが少なくありません。 「訴えの利益」とは、裁判所に事件として取り扱…
1.パワーハラスメントに対処しなければならないのは? 職場において行われる ① 優越的な関係を背景とした言動であって、 ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、 ③ 労働者の就業環境が害されるもの をパワーハラスメントといいます(令和2年厚生…
1.管理監督者性 管理監督者には、労働基準法上の労働時間規制が適用されません(労働基準法41条2号)。俗に、管理職に残業代が支払われないいといわれるのは、このためです。 残業代が支払われるのか/支払われないのかの分水嶺になることから、管理監…
1.解雇の撤回 一昨日、昨日と、無理筋の解雇が行われた場合、労働者側からの解雇無効、地位確認の主張に対し、使用者側から解雇を撤回するという対応をとられることがあるとお話しました。 この解雇撤回は、敗訴リスクを考慮した便法であることが少なくあ…
1.解雇撤回後の嫌がらせ 無理筋の解雇に対し、労働者側から解雇無効、地位確認を主張すると、使用者側から解雇を撤回されることがあります。 これが真摯なものであればよいのですが、敗訴リスクを考慮して解雇を一旦撤回するものの、当該労働者を職場から…
1.解雇撤回後の嫌がらせ 無理筋の解雇に対し、労働者側から解雇無効、地位確認を主張すると、使用者側から解雇を撤回されることがあります。 これが真摯なものであればよいのですが、敗訴リスクを考慮して解雇を一旦撤回するものの、当該労働者を職場から…
1.休日出勤させてもらえない 一般論として言うと、使用者から命じられた場合に時間外勤務(残業)や休日勤務(休日出勤)をすることは、飽くまでも労働契約上の義務であって権利ではないと理解されています。 そのため、残業や休日勤務をさせてもらえなか…