2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧
1.不正競争防止法上の営業秘密を侵したことを理由とする懲戒処分 不正競争防止法という法律があります。 これは、 「事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を…
1.マスク不着用をめぐる紛争 最近は下火になりつつありますが、新型コロナウイルスが流行する中、マスクの着用に応じない従業員を配転することができるのかという問題がありました。 近時公刊された判例集に、この問題を扱った裁判例が掲載されていました…
第二東京弁護士会の労働問題検討委員会では「労働事件ハンドブック」という実務家向け書籍を刊行しています。 既に弁護士会館の地下の本屋には置かれているようですが、来月、「2018年労働事件ハンドブック」の2023年改訂版である 「労働事件ハンド…
1.過重労働と安全配慮義務 最二小判平12.3.24労働判例779-13 電通事件は、 「労働者が労働日に長時間にわたり業務に従事する状況が継続するなどして、疲労や心理的負荷等が過度に蓄積すると、労働者の心身の健康を損なう危険のあることは、周…
1.就労請求権 使用者に労働することを請求する権利を、就労請求権といいます。 代表的な裁判例は、 ①労働契約等に就労請求権についての特別の定めがある場合、 または ②労務の提供について労働者が特別の合理的な利益を有する場合、 を除き、一般的に労働…
1.配転命令が権利濫用となる場合 最高裁判例(最二小判昭61.7.14労働判例477-6 東亜ペイント事件)は、配転命令が権利濫用となる要件について、 「使用者は業務上の必要に応じ、その裁量により労働者の勤務場所を決定することができるものとい…
1.医師に対する配転命令 医師独特の労働慣行の一つに「医局」があります。 医局とは、 「大学医学部や歯学部の附属病院における診療科ごとの、教授を頂点とした人事組織のこと」 をいいます。 「医局では臨床や研究、教育、医局員に対する学位取得に関する…
1.配転命令と職種限定合意 一般論として、配転命令には、使用者の側に広範な裁量が認められます。最二小判昭61.7.14労働判例477-6 東亜ペイント事件によると、配転命令が権利濫用として無効になるのは、 ① 業務上の必要性がない場合、 ② 業務…
1.自由な意思の法理 自由な意思の法理とは、賃金や退職金の不利益に係る個別合意の効力を論じる中で生じてきた、 「労働条件の変更に対する労働者の同意の有無については、当該変更を受け入れる旨の労働者の行為の有無だけでなく、当該変更により労働者に…
1.退職届は撤回できない? どのような理屈なのかは分からないのですが、 退職届は撤回できない という俗説があるようです。 退職する場合、退職届と退職願のどちらを出す? | 法律事務所求人広場 こうした俗説が掲載されているサイトは、ざっと見たところ…
1.パワーハラスメントによる精神障害 パワーハラスメントは、労働者に強い心理的負荷を与え、精神障害(精神疾患)を発症させる原因になることがあります(平成23年12月26日 基発1226第1号「心理的負荷による精神障害の認定基準について」〔最…
1.解雇権濫用法理と就業規則の解雇事由 労働契約法16条は、 「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」 と規定しています。これは判例で採用されていた解雇権濫用…
1.厚生年金の受給額 一定の上限はありますが、厚生年金は、納付した保険料が多額であればあるほど、受給額も高くなる仕組みがとられています。 それでは、使用者側が何等かの理由で賃金が上げられていたことを認識せず、納付した保険料が法所定の額よりも…
1.違法無効な解雇後の賃金請求と就労意思(労務提供の意思) 解雇されても、それが裁判所で違法無効であると判断された場合、労働者は解雇時に遡って賃金の請求をすることができます。いわゆるバックペイの請求です。 バックペイの請求ができるのは、民法…
1.勤務態度不良と整理解雇 整理解雇とは「企業が経営上必要とされる人員削減のために行う解雇」をいいます(佐々木宗啓ほか編著『類型別 労働関係訴訟の実務Ⅱ』〔青林書院、改訂版、令3〕397頁)。 整理解雇の可否は、①人員削減の必要性があること、②…
1.業務関連性は明白であるが、機械的正確性のない証拠 労働時間の立証手段となる証拠には、 機械的正確性があり、成立に使用者が関与していて業務関連性も明白な証拠 成立に使用者が関与していて業務関連性は明白であるが、機械的正確性のない証拠、 機械…
1.無期転換ルールとその例外 労働契約法18条1項本文は、 「同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約・・・の契約期間を通算した期間・・・が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日…
1.無期転換ルールとその例外 労働契約法18条1項本文は、 「同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約・・・の契約期間を通算した期間・・・が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日…
1.自力救済の禁止 権利の存否・範囲に争いがあるにもかかわらず、法的手続の外で実力を行使して一方的に権利を実現してしまうことを「自力救済」といいます。 自力救済は原則的には禁止されています。一定の厳格な要件のもとで例外的に許容される場合があ…
1.解雇・雇止め後の研究室の明渡し・残置物撤去 大学教員の方が解雇・雇止めの効力を争う場合、派生紛争として、しばしば研究室の明渡しの可否が問題になります。大学当局側は研究室の明渡し、残置物撤去を求めてきますが、研究室内には研究を進めるための…
1.賃金控除と従業員代表 労働基準法24条1項は、 「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定め…
1.就業規則の変更手続 労働基準法89条柱書は、 「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。」 と規定しています。 …
1.就業規則の周知性 労働契約法7条本文は、 「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとす…
1.縮小認定 「縮小認定」という言葉があります。これは刑事訴訟で使われる専門用語で、公訴事実の全部を認定できない時に、一部の事実のみ認定し、それを前提に有罪判決を言い渡すことを意味します。例えば、強盗罪で刑事裁判にかけられたものの、暴行や脅…
1.業務命令権濫用の判断枠組み 労働契約法6条は、 「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。」 と規定しています。 労働契約に基づいて、使用…
1.就業規則の相対的必要記載事項 就業規則には、 必ず記載しなければならない事項(絶対的必要記載事項)と、 そのような制度を設ける場合には記載する必要がある事項(相対的必要記載事項) があります(労働基準法89条、水町勇一郎『詳解 労働法』〔東…
1.賃金全額払いの原則とその例外 労働基準法24条1項は、 「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省…
1.賃金全額払いの原則とその例外 労働基準法24条1項は、 「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省…
1.賃金全額払いの原則とその例外 労働基準法24条1項は、 「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省…
1.危険な作業を指導する者の注意義務 危険な作業に従事していると怪我をすることがあります。完全に自業自得である場合は仕方がないのですが、指導、監督する立場にある方の指導方法等に問題がある場合は少なくありません。こうした場合、怪我をした方は、…