2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧
1.自由な意思の法理 最二小判平28.2.19労働判例1136-6山梨県民信用組合事件は、 「使用者が提示した労働条件の変更が賃金や退職金に関するものである場合には、当該変更を受け入れる旨の労働者の行為があるとしても、労働者が使用者に使用さ…
1.就業規則による労働条件の不利益変更 労働契約法10条本文は、 「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、…
1.安全配慮義務 労働契約法5条は、 「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」 と規定しています。一般に「安全配慮義務」と言われている義務です。 ハラスメント…
1.退職勧奨 退職勧奨については、次のように理解されています。 「勧奨行為を行うことは基本的に自由である」 「しかしながら、社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為が行われた場合には、労働者は使用者に対し不法行為として損…
1.考慮されない弁明 懲戒処分を行うにあたっては、弁明の機会付与など適正な手続を踏むことが必要だと理解されています。例えば、水町勇一郎『詳解 労働法』〔東京大学出版会、第3版、令5〕600頁には、次のような記述があります。 「懲戒処分を行うに…
1.理由のない注意、指導、警告の争い方 事前に注意、指導、警告が行われていると、懲戒処分や解雇などの不利益処分が有効になりやすくなります。改善の機会が与えられたのに改善をしなかったという点で、制裁の必要性や非難可能性が強まるからです。 こう…
1.途中で偽装請負に該当することを知った場合 一定の行為を行った派遣先は、派遣労働者に対し、労働契約の申込みをしたものとみなされます(労働者派遣法40条の6第1項)。これを「労働契約の申込みのみなし制度」といいます。 この制度のもと労働契約…
1.労働契約の申し込みのみなし制度 一定の行為を行った派遣先は、派遣労働者に対し、労働契約の申込みをしたものとみなされます(労働者派遣法40条の6第1項)。 労働契約の申込みとみなされる行為は五類型あり、その中の一つに、 「この法律又は次節の…
1.無許可兼業/無許可兼職/無許可副業 平成30年1月、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表しました。このガイドラインは令和2年9月、令和4年7月と改定され、現在に至っています。 副業・兼業|厚生労働省 https://www.mhlw…
1.最低賃金法 「最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度」を最低賃金制度といいます。 あなたの賃金を比較チェック|最低賃金制度 この最低賃金制度の根拠になっている…
1.準拠法の選択 法の適用に関する通則法7条は、 「法律行為の成立及び効力は、当事者が当該法律行為の当時に選択した地の法による」 と規定しています。 「法律行為」には労働契約も含まれ、労働者と使用者は自分達に適用される法律として外国の法律を選…
1.当直業務、宿直業務の労働時間性 当直や宿直を担当するにあたり、実際に業務に従事している時間が労働時間としてカウントされることに疑義を容れる余地はありません。 しかし、業務が発生している時間帯以外の時間帯にどのように過ごすのかは、宿直や当…
1.内心と外形が異なっている問題 職場で内心を思うままに吐露できる人は、少ないのではないかと思います。大体の人は、怒りを覚えたり、傷ついたりしながらも、それを外面に出すことなく、上手くその場をやり過ごしています。 しかし、外形的に上手くやり…
1.国家賠償法上の違法性 国家賠償法1条1項は、 「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」 と規定しています。 条…
1.休憩時間の付与 労働基準法34条1項は、 「使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。」 と規定しています。労働基準法施行…
1.公立学校の教師に残業代が支給されない問題 公立学校の教師には残業代が支給されません。 これは「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(通称:給特法)と呼ばれる法律に根拠があります。 給特法3条は、1項で、 「教育職員…
1.措置の要求(行政措置要求) 地方公務員法46条は、次のとおり規定しています。 「職員は、給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、人事委員会又は公平委員会に対して、地方公共団体の当局により適当な措置が執られるべきことを要求することができる。…
1.人事考課(査定) 一般論として、人事考課(査定)には使用者側の裁量が広く認められています。水町勇一郎『詳解 労働法』〔東京大学出版会、第3版、令5〕519頁にも、 「日本企業においては,人事考課(査定)に基づいて,従業員の昇進・昇格・昇級…
1.改定される認定基準 精神障害が労災になるかどうかの判断が確定するまでには、かなりの年月を要することがあります。労災申請⇒不支給処分⇒審査請求⇒再審査請求⇒訴訟第一審⇒訴訟第二審⇒最高裁といったような経過が辿られるからです。最高裁まで行くケース…
1.顧客や取引先からの対応が困難な注文や要求 平成11年9月14日 基発第545号「精神障害による自殺の取扱いについて」は、 「業務上の精神障害によって、正常の認識、行為選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著し…
1.有給休暇の取得 年次有給休暇を取得するにあたっては、次のとおり理解されています。 「労働者が年休の『具体的時期』(その始期と終期)を特定して時季指定を行った場合,使用者が適法に時季変更権を行使しない限り,その時期に年次有給休暇が成立し,…
1.精神疾患(精神障害)と自動車の運転 精神疾患(精神障害)に罹患している場合、運転免許証の交付を拒否されることがあります。 運転免許の拒否等を受けることとなる一定の病気等について|警察庁Webサイト しかし、精神疾患を持っている人の全てが自動…
1.多数の解雇事由が掲げられる事件 解雇された労働者を代理して、使用者に対し、解雇理由が何なのかを問い質すと、多数の事由が列挙されて返ってくることが少なくありません。このように多数の事実が列挙されてくる事案では、本質的な解雇事由と、そうでも…
1.複雑な退職金(退職手当)の計算 大企業や公務員の退職金(退職手当)の計算は、複雑であることが少なくありません。例えば、人事院は、退職手当の計算例として、下記のような例を挙げています。 【定年退職で在職中に休職期間のある例】 生年月日:昭和…
1.解雇に向かうプロセス 例外もなくはありませんが、ある日、唐突に解雇が告知されることはあまりありません。概ねの解雇は、会社と労働者との関係が徐々に悪化して行った後、その延長線上で告知されます。 この関係が悪化して行くプロセスの中で、しばし…
1.解雇理由が書かれた文書の位置付け 当たり前のことですが、解雇されるには何某かの理由があります。解雇理由は解雇を通知する際の文書に記載されていることもあれば、解雇理由証明書の交付(労働基準法22条2項)を求めて文書化されることもあります。…
1.労働契約締結の場面での「合理性」と変更の場面での「合理性」 労働契約法7条本文は、 「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、…
1.解雇の効力を争う地位確認請求訴訟の提起は早めに行うこと 過去にも何度も言及していますが、実務上、古い事件を掘り起こすことは簡単ではありません。 在職中の労働条件の不利益変更の効力は、時間が経過しても争える場合がありますが、解雇のように従…
1.中小企業退職金共済制度 「中退共」という言葉があります。 これは中小企業退職金共済制度の略称です。 中小企業退職金共済制度は、中小企業退職金共済法に根拠があり、 事業主が中退共(独立行政法人勤労者退職金共済機構)と退職金共済契約を結ぶ、 事…
1.セクシュアルハラスメントと迎合的言動 最一小判平27.2.26労働判例1109-5L館事件は、セクシュアルハラスメントの被害者心理について、 「職場におけるセクハラ行為については、被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも…