2026-01-01から1年間の記事一覧
1.懲戒処分と適正手続 労働契約法15条は、 「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合…
1.休憩時間の労働時間性 残業代を請求する訴訟では、労働者側から休憩時間の労働時間性が主張されることがあります。 これは、簡単に言うと、 休憩時間とされてはいても、使用者の指揮命令下に置かれていた、 よって、この時間も労働時間としてカウントさ…
1.就業規則の周知性 労働契約法7条本文は、 「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとす…
1.1か月単位変形労働時間制 労働基準法32条の2第1項は、 「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面…
1.雇止め法理 労働契約法19条柱書は、 「有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした…
1.休業手当 民法536条2項本文は、 「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない」 と規定しています。 使用者によって違法無効な解雇がされ、判決によってそれが認…
1.退職の意思表示を撤回した労働者に対して行われる懲戒解雇 退職勧奨を受けたり、不正調査の対象になったりして、非自発的に退職の意思が示されることがります。こうした非自発的な退職の意思は、揺れやすく、しばしば撤回の対象になります。 他方、労働…
1.特殊な疾患は因果関係の問題か? 素因減額の問題か? (1)因果関係 民法416条は、次のとおり規定しています。 「債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。 2 特別の事情によって…
1.自殺の予見可能性 少し前に、自殺の責任を加害者に帰責するために必要な予見可能性について、 「労働者が労働日に長時間にわたり業務に従事する状況が継続するなどして、疲労や心理的負荷等が過度に蓄積すると、その心身の健康を損なう危険があり、労働…
1.利益相反 自分の利益と自分が尽くすべき他人の利益とが相反することを「利益相反」といいます。利益相反の関係にある場合、相手方のために行動したり、相手方の意思決定に関与したりすることが禁止されています。 例えば、ある契約をする人は、その契約…
1.懲戒解雇の効力と適正手続 懲戒解雇の効力を判断するにあたり、適正な手続が履践されていることは考慮要素の一つとして位置付けられています。 しかし、その考慮要素としての重みは、それほどでもありません。 確かに、佐々木宗啓ほか『類型別 労働関係…
1.上司と部下との関係 労働者とは「使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」であるとされています(労働契約法2条1項)。「使用されて」という言葉から分かるとおり、労働者は使用者に従属し、その指揮命令に従う義務を負います。 しかし、義務…
1.注意への不満 上長から受ける「注意」に不満を持っている労働者は少なくありません。そもそも問題になるようなことはしていない、正しい事実認識に立脚していない、注意されるほどのことではない、似たようなことをして注意されていない人もいるなど、不…
1.パワハラ被害を受けた労働者に対する配慮のための措置 令和2年厚生労働省告示第5号『事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針』は、労働者からパワハラに係る相談の申出を受け…
1.会議の場での発言 議論が白熱する会議の場では、参加者から感情的な発言が飛び出すことがあります。参加者が多数に上る会議で感情的な発言を受けた人は、衆人環視のもとで晒しものにされたような形になるため、発言をした人と発言を受けた人との間の地位…
1.過去の処分歴/非違行為 人事院事務総長発 平成12年3月31日職職-68『懲戒処分の指針』は、国家公務員に対する懲戒処分の量定を考えるにあたっての基本事項として、次のとおり規定しています。 「個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる処分…
1.雇止めの二段階審査 労働契約法上、 「当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められる」(契約更新に向けた合理的期待が認められる)場合、 …
1.労災の認定基準 労働者災害補償保険法は、 「労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡」 に対して保険給付を行うことを定めています(労働者災害補償保険法7条1号)。 この「業務上」の意義に関しては、最二小判昭51.11.12最高裁判所裁判集…
1.自殺の予見可能性 不法行為であれ債務不履行であれ、損害賠償を請求するためには、故意や過失、因果関係といった要素が必要になります。 ここでいう「過失」とは結果予見義務を前提としたうえでの結果回避義務違反をいいます。また、相当因果関係とは、…
1.昔からある典型的なフレーズ 部下に厳しくあたる時の言葉には、幾つかの決まり文句があります。「この仕事向いてないな。」「センスないな。」「成長してないな。」といった言葉などが該当します。こうした言葉は、業種・業界を問わず、「指導」という名…
1.退職金の額が分からない場合 労働者が会社を辞める時、退職金を払う/払わないで紛争になることがあります。 使用者側で任意に退職金の支払に応じない場合、労働者側としては訴訟提起等の法的措置をとるしかありません。しかし、労働者側で法的措置をと…
1.黙示の指揮命令 労働基準法上の労働時間とは、 「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」 を言います(最一小判平12.3.9労働判例778-11 三菱重工業長崎造船所(一次訴訟・会社側上告)事件)。 「指揮命令下に置かれている」と言え…
1.退職金不支給条項がない場合の退職金不支給 懲戒解雇など一定の事由がある場合に、就業規則等で退職金を不支給・減額支給とする条項が置かれることがあります。これを退職金不支給・減額条項といいます。 こうした退職金不支給・減額条項がない場合に、…
1.労働契約締結後の就学期間 労働契約の締結後、使用者から就学を命じられることがあります。例えば、病院が採用した職員に対し、看護学校への通学を指示するといったようにです。 この勤務期間中の就学には、二面性があります。 一つは業務命令としての面…
1.解雇理由証明書 労働基準法22条1項は、 「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者…
1.違法無効な解雇後の賃金請求と就労意思(労務提供の意思) 解雇されても、それが裁判所で違法無効であると判断された場合、労働者は解雇時に遡って賃金の請求をすることができます。いわゆるバックペイの請求です。 バックペイの請求ができるのは、民法…
1.職務専念義務 労働者には職務専念義務があります(水町勇一郎『詳解 労働法』〔東京大学出版会、第3版、令5〕254頁等参照)。そのため、勤務時間中に私語に耽って仕事を疎かにすることは許されません。 しかし、人はロボットではありませんし、業務…
1.配転と出向 配転とは「同一企業内における労働者の職種、職務内容、勤務場所のいずれかを長期間にわたって変更する企業内人事異動の一つである」とされています これに対し、出向とは「労働者が雇用先の企業(出向元)における従業員たる地位を保持した…
1.自由な意思の法理の射程 最二小判平28.2.19労働判例1136-6山梨県民信用組合事件は、 「使用者が提示した労働条件の変更が賃金や退職金に関するものである場合には、当該変更を受け入れる旨の労働者の行為があるとしても、労働者が使用者に…
1.退職扱いの法的性質 解雇が行われるに先立っては、退職勧奨が行われるのが通例です。 使用者からの勧奨に応じて会社を辞める場合、労働契約は合意解約されたものと理解されます。しかし、労働者が退職に合意していないにもかかわらず、使用者によって一…