弁護士 師子角允彬のブログ

師子角総合法律事務所(東京:水道橋駅徒歩5分・御茶ノ水駅徒歩7分)の所長弁護士のブログです

2025-01-01から1年間の記事一覧

保存期間経過後のクロワッサン等を窃取した給食調理員に対する懲戒免職処分が違法とされた例

1.懲戒処分の実情 公務員には種別毎に懲戒処分の標準例が定められています。 例えば、国家公務員の場合、平成12年3月31日職職-68『懲戒処分の指針について』が標準例にあたります。 ここには、 「公金又は官物を窃取した職員は、免職とする。」 と…

盗撮行為を理由とする懲戒解雇が無効とされた例

1.職務外での痴漢・盗撮を理由とする懲戒解雇 職場におけるセクシュアルハラスメントは、多くの企業において懲戒事由と定められています。態様や被害が酷い場合、懲戒解雇されることもあります。懲戒が企業秩序を維持するための仕組みであることを考えて頂…

協同組合グローブ事件最高裁判決以降の事業場外みなし労働時間制の適否が問題になった事例(否定例)

1.事業場外みなし労働時間制 労働基準法38条の2第1項は、 「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常…

研究という側面に乏しい大学講師職にも、任期法の適用を認めた最高裁判例

1.無期転換ルールとその例外 労働契約法18条1項本文は、 「同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約・・・の契約期間を通算した期間・・・が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日…

日中手当は深夜割増賃金の算定基礎賃金になるのか?

1.時間帯毎に異なる時給 「日中手当」として支給されていた賃金項目について、深夜割増賃金を計算するうえでの算定基礎賃金に含まれないという主張は、どのように扱われるのでしょうか? 時間帯毎に異なる時給を定めることは、法律上、禁止されているわけ…