2025-01-01から1年間の記事一覧
1.懲戒処分と始末書の不提出 懲戒処分は、始末書の提出と紐づけられていることがあります。例えば、厚生労働省のモデル就業規則にも、 「① けん責 始末書を提出させて将来を戒める。 ② 減給 始末書を提出させて減給する。ただし、減給は1回の額が平均賃金…
1.秘匿されている賃金テーブル 実務上、具体的な金額の書かれた賃金テーブルが就業規則(賃金規程)とは切り離された社内文書として保管されている例があります。 異動や降格に伴う賃金減額の効力を争って訴えを提起し、訴訟手続内で恣意的な減額ではない…
1.業務命令権 「使用者は,労働者の労務遂行上の指揮命令だけでなく,広く企業の業務全般について労働者に指示・命令を行う業務命令権を有している」と言われています。 この業務命令権は「労働者の本来的な職務を超え,出張,研修や健康診断,自宅待機な…
1.労働契約上の本質的な義務 労働契約法6条は、 「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。」 と規定しています。 要するに、 労働者は使用者の…
1.雇用継続の可否の判断と改善可能性(反省) 問題行動を理由とする普通解雇や懲戒解雇の可否を判断するにあたり、しばしば「改善可能性」という概念が登場します。「事前の注意・指導による改善の可能性が残されている以上、解雇をするのは行き過ぎではな…
1.減給の制裁の上限 労働基準法91条は、 「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」 と規定していま…
1.お節介型のセクシュアルハラスメント セクシュアルハラスメントに対する意識が高まっているためか、最近では、卑猥な言葉を浴びせたり、同意なくわいせつな行為に及ぶといった、誰が見ても問題視しそうな粗暴型のセクシュアルハラスメントは少なくなって…
1.労働者が取締役に昇進した場合の法的地位 社内の労働者が内部昇格して取締役になった場合、その法的地位は、どのように理解されるのでしょうか? 考え方は二つあります。 一つは、従前存在していた労働契約を合意解約したうえ、取締役として新たに会社と…
1.従業員全体に対するパワーハラスメント 職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)とは、 職場において行われる ① 優越的な関係を背景とした言動であって、 ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、 ③ 労働者の就業環境が害されるものであり、…
1.事業場外みなし労働時間制 労働基準法38条の2第1項は、 「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常…
1.降格に伴う職務手当の減額 賃金に職能給(労働者の職務遂行能力に応じた給与)の方に対する職務や職位・等級の変更による減給の可否に関しては、次のように理解されています。 「職能給・・・の場合には,当該賃金制度の具体的な運用実態,慣行等に照ら…
一昨日(令和7年12月18日)、杉野服飾大学で、労働法教育についての授業をしてきました。授業は、私のほか、第二東京弁護士会労働問題検討委員会の弁護士2名の計3名で行いました。 ウォーミングアップ用のクイズを行った後、ハラスメントに関する事例…
1.定年後再雇用された労働者と合理的期待 高年齢者雇用安定法に基づく定年後の継続雇用制度(高年齢者雇用安定法9条1項2号)は、有期労働契約を繰り返して行く形になっている例が多く見られます。 この有期労働契約も、有期労働契約である以上、雇止め…
1.合理的期待と不更新条項 労働契約法19条2号は、 「当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められる」 場合(いわゆる「合理的期待」が認め…
1.医療記録(診療録)に記載されている発言 診療録には、患者の医師や看護師に対する言動が記録されています。 病気を治すためには、医師に正確な病状を申告する必要があります。言い換えると、患者には、通常、真実を述べる動機があります。 医師としても…
1.休職制度 休職とは「ある従業員について労務に従事することが不能又は不適当な事由が生じた場合に、使用者がその従業員に対して労働契約関係そのものは維持させながら、労務への従事を免除すること又は禁止すること」をいいます(佐々木宗啓ほか『類型別…
1.退職をめぐるトラブル 辞意を申し入れた労働者に対し、強い悪感情をぶつけてくる使用者がいます。 こうした使用者からは、しばしば、在職中の問題行動を理由とする損害賠償を示唆されます。その中には、何ら問題とはいえない行動に対して因縁をつけてい…
1.長年に渡り慣行化していた不適切行為 懲戒処分を受けた労働者の方から法律相談を受けていると、 長年に渡り行われてきたもので、特に不適切な行為とは思わなかった、 不適切だとは思っていたが、代々の担当者がずっと行ってきたことで、自分だけ処分され…
1.「ちゃん」付けと高齢者虐待 令和7年3月 厚生労働省 老健局『市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について』は、 養介護施設従事者等による高齢者に対する心理的虐待の例として、 「子ども扱いするような呼称で呼ぶ」 ことを挙げ…
1.学生等に対するハラスメント 近時、大学教員の方が、学生等に対するハラスメントを理由に懲戒処分を受ける例が増えているように思います。ハラスメントに対する意識の高まりや、少子化により学生側の立場が強くなったことなどが背景にあるのではないかと…
1.過失相殺 民法418条は 「債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。」 と規定しています。 民法722条2項は、 「被害者に過失があった…
1.多重請負構造と未成年労働者 建設業等の現場仕事では、しばしば多重請負構造が見られます。 発注者⇒元請⇒一次下請⇒二次下請⇒・・・といったようにです。 この多重請負構造に個人事業主が組み込まれたり、派遣労働者が組み込まれたりしている例もあり(建…
1.多重請負構造と未成年労働者 建設業等の現場仕事では、しばしば多重請負構造が見られます。 発注者⇒元請⇒一次下請⇒二次下請⇒・・・といったようにです。 この多重請負構造に個人事業主が組み込まれたり、派遣労働者が組み込まれたりしている例もあり(建…
1.多重請負構造と未成年労働者 建設業等の現場仕事では、しばしば多重請負構造が見られます。 発注者⇒元請⇒一次下請⇒二次下請⇒・・・といったようにです。 この多重請負構造に個人事業主が組み込まれたり、派遣労働者が組み込まれたりしている例もあり(建…
1.合理的配慮の提供義務 障害者雇用促進法36条の3は、 「事業主は、障害者である労働者について、障害者でない労働者との均等な待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となつている事情を改善するため、その雇用する障害者で…
1.分限免職処分の特殊性 公務の能率性という観点から公務員に対して行われる不利益処分を「分限処分」といいます。分限処分は公務の能率という観点から行われるもので、非違行為の存在や本人の有責性を前提にしないという点で懲戒処分とは異なっています。…
1.配転命令権の濫用 配転命令権が権利濫用となる要件について、最高裁判例(最二小判昭61.7.14労働判例477-6 東亜ペイント事件)は、 「使用者は業務上の必要に応じ、その裁量により労働者の勤務場所を決定することができるものというべきであ…
1.降格に伴う賃金減額 降格に伴って賃金を下げられることがあります。 この場合、降格や賃金減額の効力は、どのように理解されるのでしょうか? 大別して二つの考え方があります。 一つ目は、両者を一体のものとして取り扱う考え方です。 例えば、降格の可…
1.年俸額の改定 年俸制で働いている労働者は、査定や評価によって次年度の年俸を決められることがあります。査定や評価によっては、年俸額は減額されることもありますが、 「減給措置が適法になされるためには,①能力・成果の評価と賃金決定の方法が就業規…
1.顧客からの苦情を理由とする自宅待機命令(労務提供の受領拒絶) 接客業や営業職の方に対し、顧客から苦情が出ていることを理由に会社から自宅待機が命じられることがあります。 自宅待機が命じられても、賃金が支払われる場合には、直ちに生活が脅かさ…