2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧
1.配転命令権の濫用と「不当な目的」 配転命令権が権利濫用となる要件について、最高裁判例(最二小判昭61.7.14労働判例477-6 東亜ペイント事件)は、 「使用者は業務上の必要に応じ、その裁量により労働者の勤務場所を決定することができるも…
1.労働者性の判断基準 労働法の適用を受けないようにするため、業務委託や請負といった法形式が使われることがあります。 しかし、こうした法形式を使いさえすれば適用を免れることができるとなると、労働法で定められているルールは死文化してしまいます…
1.パワーハラスメントを理由とする解雇等 数年前、パワーハラスメントを理由とする分限免職処分を違法だと判示した一審、二審の判断が、最高裁で破棄される事件がありました(最三小判令3.9.13労働判例ジャーナル128-1 長門市・長門消防局事件…
1.賃金の不払と取締役の個人責任 会社法429条1項は、 「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」 と規定しています。 賃金を払ってもらえない労働者…
1.固定残業代 固定残業代とは、 「時間外労働、休日および深夜労働に対する各割増賃金(残業代)として支払われる、あらかじめ定められた一定の金額」 をいいます(白石哲編著『労働関係訴訟の実務』〔商事法務、第2版、平30〕115頁参照)。 固定残…
1.休憩時間とされている時間にも働いていた場合 残業代請求訴訟で争点化しやすい問題の一つに、休憩時間の労働時間性があります。 これは要するに、 休憩とされている時間にも働いていた、 という主張です。 しかし、休憩時間に働いていたことの立証は、必…
1.残業時間の推計 残業代(時間外勤務手当等)を請求するにあたっては、労働者側で、 「日ごとに、始業時刻、終業時刻を特定し、休憩時間を控除することにより、(時間外労働等の時間が-括弧内筆者)何時間分となるかを特定して主張立証する必要」 がある…
1.相殺禁止と相殺合意 労働基準法24条1項本文は、 「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」 と規定しています。「全額を」という言葉の趣旨から、使用者は労働者に対する権利と賃金支払義務とを相殺することはできないと…
1.自由な意思の法理以前の問題 最二小判平28.2.19労働判例1136-6山梨県民信用組合事件は、賃金減額の合意に対し、 「使用者が提示した労働条件の変更が賃金や退職金に関するものである場合には、当該変更を受け入れる旨の労働者の行為がある…
1.振動工具使用時間把握義務 使用者に労働時間管理義務があることは、良く知られています(平成29年1月20日策定『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン』、労働安全衛生法は、66条の8の3、労働安全法施行規則5…
1.使用者側の「勝手に働いていただけだ」という反論 残業代を請求するにあたっては、労働者側で実作業時間の立証に成功しても、使用者側から「勝手に働いていただけだ」と反論されることがあります。こうした反論は、しばしば許可残業制を採用している会社…
1.労働時間の立証 労働時間が管理されていない会社に対して残業代を請求するにあたっては、日々の始業時刻、終業時刻を立証するための工夫が必要になります。例えば、PCの起動/シャットダウン時刻、ビルへの入退館記録、メールの送信記録を利用するとい…
1.法律と条令の関係 憲法94条は、 「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる」 と規定しています。 つまり、法律と条令とでは法律の方が優先する関係にあり、条例は…
1.フリーランスの労働時間立証 残業代(時間外勤務手当等)を請求するにあたっては、 「日ごとに、始業時刻、終業時刻を特定し、休憩時間を控除することにより、(時間外労働等の時間が-括弧内筆者)何時間分となるかを特定して主張立証する必要」 がある…
1.配送ドライバーの労働者性 配送業務では、しばしば、大手運送会社⇒中小運送事業者⇒個々の配送事業者(個人事業主)という形の多重請負構造がみられます。 この多重請負構造の末端にいる個々の配送事業者は、業務委託契約のもとで働いている個人事業主(…
1.会社へのネガティブな書き込み 掲示板やSNSの普及・発展により、現在では、誰もがインターネット上にアクセスして、自分の経験した事実や意見を公表することができます。 労働事件との関係で言うと、在職中の従業員、又は、退職した従業員が、ネット…
1.会社の口コミ 会社を辞めた方が、転職サイトにネガティブな書き込みをすることがあります。 求人難の背景もあるためか、こうしたネガティブな書き込みに対し、使用者側から名誉毀損を理由に訴えられることがあります。 名誉毀損と民事上の不法行為責任に…
1.降格の判断枠組み 降格とは「役職(職位)または職能資格・資格等級を低下させることをいう」と理解されています。降格には「人事権の行使としてのものと,懲戒処分としてのもの」があります(水町勇一郎『詳解 労働法』〔東京大学出版会、第3版令5〕…
1.就労の意思 解雇されても、それが裁判所で違法無効であると判断された場合、労働者は解雇時に遡って賃金の請求をすることができます。いわゆるバックペイの請求です。 バックペイの請求ができるのは、民法536条2項本文が、 「債権者の責めに帰すべき…
1.高年法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律) 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年法)は、労働者の65歳までの雇用を確保するため、次のような規定を設けています。 (高年法8条本文) 「事業主がその雇用する労働者の定年(以下単に『定…
1.中途採用の内定取消の可否の判断基準 以前、 中途採用の内定取消の可否も、新規卒業者の内定取消と同じ基準のもとで判断されるのか? - 弁護士 師子角允彬のブログ という記事を書きました。 最二小判昭54.7.20労働判例323-19 大日本印刷事…
1.賃金の不払と取締役の個人責任 会社法429条1項は、 「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」 と規定しています。 賃金を払ってもらえない労働者…
1.労働契約申込みみなし制度 労働契約申込みみなし制度とは、派遣先等が違法派遣を受けた時点で、派遣先等が派遣労働者に対して、その派遣労働者の雇用主(派遣元事業主)との労働条件と同じ内容の労働契約を申し込んだとみなす制度をいいます(労働者派遣…
1.就業規則の変更による労働条件の不利益変更 労働契約法10条は、 「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性…
1.就業規則の変更による労働条件の不利益変更 労働契約法10条は、 「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性…
1.セクシュアルハラスメントの事後措置義務 平成18年10月11日 厚生労働省告示第615号「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(最終改正 令和2年1月15日 厚生労働省告示第6号)は…
1.セクシュアルハラスメントの事後措置義務 平成18年10月11日 厚生労働省告示第615号「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(最終改正 令和2年1月15日 厚生労働省告示第6号)は…
1.働いている人の姿を衣服の上から撮影する行為 人の性的な部位や人が身に着けている下着を密かに撮影することは、性的姿態等撮影罪で処罰されます(性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関…
1.交通法規違反を理由とする懲戒処分 交通取締法規違反を理由とする懲戒処分の量定は、かなり重くなっています。 例えば、国家公務員の懲戒処分の標準的な処分量定を定めた平成12年3月31日職職-68『懲戒処分の指針について』は、 「酒酔い運転をし…