2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧
1.セクハラに対する事後措置としてどこまでのことが求められるのか? 事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(平成18年厚生労働省告示第615号)は、事業主に対し、職場においてセクシュアルハ…
1.セクシュアルハラスメントの被害者が会社に責任を追及するための法律構成 上司や同僚からセクシュアルハラスメント(セクハラ)を受けた被害者は、加害者に対して損害賠償を請求することができます。 しかし、個人である加害者には、十分な賠償資力がな…
1.セクシュアルハラスメントの事後措置 事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(平成18年厚生労働省告示第615号)は、事業主に対し、職場においてセクシュアルハラスメント(セクハラ)が発生…
1.地位確認等請求訴訟と未払賃金立替制度 解雇の効力を争う場合、労働者側は解雇が無効であることを前提に、労働契約上の権利を有する地位の確認と賃金の支払いを請求する訴えを提起します。この訴訟に勝つと、裁判所は、労働契約が存続していることを認め…
1.公務員の懲戒処分(詐取、諸給与の違法支払・不適正受給) 平成12年3月31日職職―68「懲戒処分の指針について」は、国家公務員の懲戒処分の処分量定を定めています。 懲戒処分の指針について 非違行為毎に標準的な処分量定を対応させたものですが…
1.労働条件の不合理な相違 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律8条は、 「事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において…
1.パワーハラスメント 令和2年厚生労働省告示第5号『事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針』は、パワーハラスメントの類型の一つとして、 精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮…
1.怪我や病気で働けなくなった時の生活 怪我や病気で働けなくなった労働者が生活費を確保する方法としては、 傷病手当金を受給する、 労災の休業補償給付を受給する、 という二つの方法が考えられます。 傷病手当金は、健康保険法99条1項の、 「被保険…
1.注意指導の無効確認請求に訴えの利益は認められるのか? 戒告・譴責といった具体的な不利益と結びついていない軽微な懲戒処分が無効であることの確認を求める事件は、「訴えの利益」が否定されることが少なくありません。 「訴えの利益」とは、裁判所に…
1.条件付採用 地方公務員法22条は、 「職員の採用は、全て条件付のものとし、当該職員がその職において六月の期間を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに、正式のものとなるものとする。この場合において、人事委員会等は、人事委員会規…
1.条件付採用 地方公務員法22条は、 「職員の採用は、全て条件付のものとし、当該職員がその職において六月の期間を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに、正式のものとなるものとする。この場合において、人事委員会等は、人事委員会規…
1.授業中の発言が問題視される例 個人的な体感によるものですが、近時、授業中の発言や学生アンケートの内容を理由として、有期労働契約で働いている大学講師の方が雇止めになる例が増えているように思います。 特に、セクシュアルハラスメント関係で顕著…
1.雇止めの二段階審査 労働契約法上、 「当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められる」(契約更新に向けた合理的期待が認められる)場合、 …
1.雇止め法理(労働契約法19条)の類推適用 労働契約法19条は、 「当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められる」(契約更新に向けた合…
1.私生活上の非違行為を理由とする懲戒処分と報道 ある犯罪が報道されるのか否かは、基本的にコントロールできることではありません。そうであれば、報道されたのか否かによって、私生活上で罪を犯した労働者に対する勤務先の懲戒権行使の可否が左右される…
1.反省をどうみるか? 問題行動が原因で勤務先からペナルティを受ける場合、通常、 問題行動⇒行為発覚⇒調査・ヒアリング等⇒ペナルティ といった形で時系列が流れて行くことになります。 この行為発覚後の対応が良くないと、「反省していない」ことが重いペ…
1.過去の行為の蒸し返し 解雇無効を主張する事件でも、懲戒処分の効力を争う事件でも、必ずと言っていいほど問題になることの一つに、過去の行為の取扱いがあります。 解雇には解雇事由、懲戒処分には懲戒事由があります。普通に考えれば、解雇事由、懲戒…
1.シフトに入れてもらえない問題 シフト制の労働者の脆弱性の一つに、使用者からシフトに入れてもらえなくなることがあります。 現行法制上、稼働しなかった日に対応する賃金は、支払われないのが原則です。例外として、使用者の「責めに帰すべき事由」(…
AERAより遺留ハラスメント(退職妨害)についての取材を受けました。 2025年5月19日号に掲載されています。 朝日新聞出版 最新刊行物:AERA:AERA 2025年5月19日号 既に電子版に掲載されているものの要約にはなりますが、ご興味のある方は、ご参…
1.契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをすること 労働契約法19条柱書は、 「有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期…
1.雇止めの二段階審査 労働契約法上、 「当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められる」(契約更新に向けた合理的期待が認められる)場合、 …
1.退職後の旧職場とのトラブル 職場に対して何の不満もないのに仕事を辞める人は、それほど多くはありません。仕事を辞める人は、職場に対して多かれ少なかれ不満を持っていることが殆どです。 こうした方が職場を辞めた後、旧勤務先で引き続き働いている…
1.退職後の競業避止義務を定める合意 就業規則等で従業員の退職後の競業が禁止されていることがあります。 こうした退職後の競業避止義務を定める合意の効力は、一般に、次のとおり理解されています。 「就業規則によって退職後の競業行為を禁止したとして…
1.退職後の競業避止義務を定める合意 就業規則等で従業員の退職後の競業が禁止されていることがあります。 こうした退職後の競業避止義務を定める合意の効力は、一般に、次のとおり理解されています。 「就業規則によって退職後の競業行為を禁止したとして…
1.有利な部分もあるが不利な部分もある有給休暇制度の法適合性 労働基準法39条1項、2項は、次のとおり規定しています。 「第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は…
1.職種限定合意と配転の禁止 昨年4月、最高裁で職種限定合意を交わしている労働者への配転命令の可否に関する判断が示されました(最二小判令6.4.26労働判例1308-5 社会福祉法人滋賀県社会福祉協議会事件)。 最高裁は、 「労働者と使用者と…
1.懲戒処分と弁明の機会付与 懲戒処分と弁明の機会付与の関係は、次のように理解されています。 「懲戒処分を行うにあたっては適正な手続を踏むことが必要である。労働協約や就業規則上,労働組合との協議や懲戒委員会(賞罰委員会)の開催等の手続を経る…
1.慰謝料請求への報復 労働施策総合推進法32条1項2項は、次のとおり規定しています。 「事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されるこ…
1.解雇撤回とパワハラが懸念されることを理由とする就労拒否 無理筋の解雇に対し、労働者側から解雇無効、地位確認を主張すると、使用者側から解雇を撤回されることがあります。 これが真摯なものであればよいのですが、敗訴リスクを考慮して解雇を一旦撤…
1.対価性が否定されるパターン 最二小判令5.3.10労働判例1284-5 熊本総合運輸事件は、固定残業代の有効要件について、 「労働基準法37条は、労働基準法37条等に定められた方法により算定された額を下回らない額の割増賃金を支払うことを義…