1.自由な意思の法理の射程 最二小判平28.2.19労働判例1136-6山梨県民信用組合事件は、 「使用者が提示した労働条件の変更が賃金や退職金に関するものである場合には、当該変更を受け入れる旨の労働者の行為があるとしても、労働者が使用者に…
1.兼業労働者による割増賃金請求 労働基準法38条1項は、 「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」 と規定しています。 「労働時間に関する規定」には割増賃金を請求するための根拠規定も含まれ…
1.解雇を無効とする判決が出たその後 解雇の効力を争って地位確認請求訴訟を提起して勝訴すると、通常は、使用者との間で復職に向けた協議が行われます。ここで就労条件や就労環境が調整され、労働者は職場復帰して行きます。 しかし、労働者の職場復帰を…
1.民法536条2項 解雇されても、それが裁判所で違法無効であると判断された場合、労働者は解雇時に遡って賃金の請求をすることができます。いわゆるバックペイの請求です。 バックペイの請求ができるのは、民法536条2項本文が、 「債権者の責めに帰…
1.生命、身体への危険を伴う出勤命令 使用者から生命や身体への危険を伴う業務を命じられた時に、これを断ることができるのかという論点があります。 最三小判昭43.12.24労働判例74-48電電公社千代田丸上告事件は、日韓関係の緊張により出航…
1.相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動 令和2年厚生労働省告示第5号『事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針』は、パワーハラスメントの典型例を示しています。 その…
1.関連会社への出向 比較的規模の大きい企業では多くの新人が採用されます。 しかし、経営幹部まで昇進するのは、そのうちの一部でしかありません。 残りの人たちはどうなっているのかというと、そのまま定年を迎えたり、関連会社に転籍したり、関連会社に…
1.非違行為、問題行為はどこまで尾を引くのか? 最近では転職も一般的になりつつありますが、伝統的な日本企業には、依然として終身雇用(長期雇用)と呼ばれる慣習が色濃く存在します。 雇用期間が長期間に及ぶと、非違行為やミスが積み重なって行きます…
1.自由な意思の法理 最二小判平28.2.19労働判例1136-6山梨県民信用組合事件は、 「使用者が提示した労働条件の変更が賃金や退職金に関するものである場合には、当該変更を受け入れる旨の労働者の行為があるとしても、労働者が使用者に使用さ…
1.就業規則による労働条件の不利益変更 労働契約法10条本文は、 「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、…
1.安全配慮義務 労働契約法5条は、 「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」 と規定しています。一般に「安全配慮義務」と言われている義務です。 ハラスメント…
1.退職勧奨 退職勧奨については、次のように理解されています。 「勧奨行為を行うことは基本的に自由である」 「しかしながら、社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為が行われた場合には、労働者は使用者に対し不法行為として損…
1.考慮されない弁明 懲戒処分を行うにあたっては、弁明の機会付与など適正な手続を踏むことが必要だと理解されています。例えば、水町勇一郎『詳解 労働法』〔東京大学出版会、第3版、令5〕600頁には、次のような記述があります。 「懲戒処分を行うに…
1.理由のない注意、指導、警告の争い方 事前に注意、指導、警告が行われていると、懲戒処分や解雇などの不利益処分が有効になりやすくなります。改善の機会が与えられたのに改善をしなかったという点で、制裁の必要性や非難可能性が強まるからです。 こう…
1.途中で偽装請負に該当することを知った場合 一定の行為を行った派遣先は、派遣労働者に対し、労働契約の申込みをしたものとみなされます(労働者派遣法40条の6第1項)。これを「労働契約の申込みのみなし制度」といいます。 この制度のもと労働契約…
1.労働契約の申し込みのみなし制度 一定の行為を行った派遣先は、派遣労働者に対し、労働契約の申込みをしたものとみなされます(労働者派遣法40条の6第1項)。 労働契約の申込みとみなされる行為は五類型あり、その中の一つに、 「この法律又は次節の…
1.無許可兼業/無許可兼職/無許可副業 平成30年1月、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表しました。このガイドラインは令和2年9月、令和4年7月と改定され、現在に至っています。 副業・兼業|厚生労働省 https://www.mhlw…
1.最低賃金法 「最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度」を最低賃金制度といいます。 あなたの賃金を比較チェック|最低賃金制度 この最低賃金制度の根拠になっている…
1.準拠法の選択 法の適用に関する通則法7条は、 「法律行為の成立及び効力は、当事者が当該法律行為の当時に選択した地の法による」 と規定しています。 「法律行為」には労働契約も含まれ、労働者と使用者は自分達に適用される法律として外国の法律を選…
1.当直業務、宿直業務の労働時間性 当直や宿直を担当するにあたり、実際に業務に従事している時間が労働時間としてカウントされることに疑義を容れる余地はありません。 しかし、業務が発生している時間帯以外の時間帯にどのように過ごすのかは、宿直や当…
1.内心と外形が異なっている問題 職場で内心を思うままに吐露できる人は、少ないのではないかと思います。大体の人は、怒りを覚えたり、傷ついたりしながらも、それを外面に出すことなく、上手くその場をやり過ごしています。 しかし、外形的に上手くやり…
1.国家賠償法上の違法性 国家賠償法1条1項は、 「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」 と規定しています。 条…
1.休憩時間の付与 労働基準法34条1項は、 「使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。」 と規定しています。労働基準法施行…
1.公立学校の教師に残業代が支給されない問題 公立学校の教師には残業代が支給されません。 これは「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(通称:給特法)と呼ばれる法律に根拠があります。 給特法3条は、1項で、 「教育職員…
1.措置の要求(行政措置要求) 地方公務員法46条は、次のとおり規定しています。 「職員は、給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、人事委員会又は公平委員会に対して、地方公共団体の当局により適当な措置が執られるべきことを要求することができる。…
1.人事考課(査定) 一般論として、人事考課(査定)には使用者側の裁量が広く認められています。水町勇一郎『詳解 労働法』〔東京大学出版会、第3版、令5〕519頁にも、 「日本企業においては,人事考課(査定)に基づいて,従業員の昇進・昇格・昇級…
1.改定される認定基準 精神障害が労災になるかどうかの判断が確定するまでには、かなりの年月を要することがあります。労災申請⇒不支給処分⇒審査請求⇒再審査請求⇒訴訟第一審⇒訴訟第二審⇒最高裁といったような経過が辿られるからです。最高裁まで行くケース…
1.顧客や取引先からの対応が困難な注文や要求 平成11年9月14日 基発第545号「精神障害による自殺の取扱いについて」は、 「業務上の精神障害によって、正常の認識、行為選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著し…
1.有給休暇の取得 年次有給休暇を取得するにあたっては、次のとおり理解されています。 「労働者が年休の『具体的時期』(その始期と終期)を特定して時季指定を行った場合,使用者が適法に時季変更権を行使しない限り,その時期に年次有給休暇が成立し,…
1.精神疾患(精神障害)と自動車の運転 精神疾患(精神障害)に罹患している場合、運転免許証の交付を拒否されることがあります。 運転免許の拒否等を受けることとなる一定の病気等について|警察庁Webサイト しかし、精神疾患を持っている人の全てが自動…