弁護士 師子角允彬のブログ

師子角総合法律事務所(東京:水道橋駅徒歩5分・御茶ノ水駅徒歩7分)の所長弁護士のブログです

講演・勉強会講師のご依頼について

 1月17日、埼玉県社会保険労務士協働組合主催の講演会で講師を務めました。

 講演会では、社会保険労務士の方を対象に、 

①問題社員への対応、

②パワハラ・いじめに会社はどのように対応すればよいのか、

③非正規労働者との格差是正のための正規労働者の労働条件の不利益変更の可否、

について、お話をさせて頂きました。

 ①では事前アンケートで寄せられた具体的な事例をもとに、どのような対応が考えられるのかを検討しました。

 ②では近時公布された

「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示5号)

の内容を検討したうえ、雇用管理上講ずべき措置と、裁判例で求められている注意義務との関係についての考察を話しました。このほか、パワハラ訴訟での慰謝料額の傾向や、加害者に懲戒処分を行うに当たっての留意点についても検討しています。

 ③では参議院厚生労働委員会の附帯決議(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案 附帯決議32号)や同一労働同一賃金ガイドライン(厚生労働省告示第430号)との関係で、正規労働者の待遇引下げが望ましい対応ではないことを話したほか、通勤手当を非正規と同額にするために正社員の通勤手当のを減額することが労働契約法20条との関係で許されるのかが問題となった裁判例(福岡高判平30.9.20労働経済判例速報2378-3九水運輸商事事件)の検討などを行いました。関連して、同一労働同一賃金ガイドラインの内容や、非正規と正規との間の労働条件格差が問題となった一連の裁判例にも言及しています。

 講演や講師の仕事は、講師側にとっても、勉強して更に知見を深める契機になります。専門職の方を対象とした講演であれば猶更です。そのため、ご依頼を頂けた場合には、可能な限りお応えするようにしています。

 このブログをご覧になっている方で、労働問題についての講演や勉強会の講師の人選にお悩みの方がおられましたら、ぜひ、お気軽にご連絡を頂ければと思います。