弁護士 師子角允彬のブログ

師子角総合法律事務所(東京:水道橋駅徒歩5分・御茶ノ水駅徒歩7分)の所長弁護士のブログです

執筆に参加した書籍のご紹介Ⅲ

 第二東京弁護士会は、厚生労働省から委託を受け、「フリーランス・トラブル110番」という法律相談・ADR(Alternative Dispute Resolution 裁判外紛争解決手続)事業を実施しています。

『フリーランス・トラブル110番』の開始について|第二東京弁護士会

 私の所属している労働問題検討委員会は、この事業で中核的な役割を担っています。そうした関係もあり、労働問題検討委員会では、フリーランスをめぐる法律問題についての研究に取り組んできました。

 その成果の一環として、令和3年9月10日、

第二東京弁護士会労働問題検討委員会編著『フリーランスハンドブック』〔労働開発研究会、初版、令3〕

という書籍が発行されます。

 この書籍の執筆には私も参加しています。

 私が担当したのは、

第1章 第2節 統計からみるフリーランス

第3章 第2節 第2款 独禁法-優越的地位の濫用

の部分です。

 フリーランスが増加傾向にあることは統計上明らかです。これに併せ、フリーランスをめぐる法的なトラブルも、目立つようになってきています。また、フリーランスの保護を考えるにあたっては、経済法、特に、弱者保護に重要な役割を果たす独占禁止法上の優越的地位の濫用に関する知識は欠かすことができません。執筆に参加し、フリーランスをとりまく現状を統計的数値から理解し、優越的濫用に関する知見を深めることができたのは、大変有意義なことでした。

 フリーランスの保護を考えるにあたり、労働者性が認められる場合に労働法の適用を主張することは、従来から行われていました。しかし、労働者性が認められない場合に何ができるのかに関する研究は、従来、必ずしも十分とはいえない状態にあったのではないかと思われます。この部分に知見の蓄積があることは、私の強みの一つだと自負しています。

 お困りのことがありましあら、ぜひ、お気軽にご相談ください。