弁護士 師子角允彬のブログ

師子角総合法律事務所(東京:水道橋駅徒歩5分・御茶ノ水駅徒歩7分)の所長弁護士のブログです

第二東京弁護士会労働問題検討委員会で研究報告を行いました

 本日、第二東京弁護士会労働問題検討委員会で勉強会が行われました。数十名規模の弁護士が参加し、午前中から夕方にかけて行われる規模の大きなものです。例年は合宿の形式で一日中かけて行われているのですが、今年は新型コロナウイルスの影響からZOOMを利用して開催されました。

 勉強会は4部構成になっており、①固定残業代、②解雇、③休職・復職、④ハラスメントをテーマに研究報告が行われました。私は固定残業代班の班長として、4名の班員弁護士とともに、固定残業代に関する近時の裁判例の動向について研究報告を行いました。

 主催団体の性質上、勉強会の参加者は、労働事件に高い関心と専門性を持つ弁護士で構成されています。専門家向けの研究報告は常に緊張しますが、参加して頂いた方々の反応から、一定の役割は果たすことができたと自負しています。

 固定残業代の問題は、第二東京弁護士会労働問題検討委員会『働き方改革関連法 その他重要改正のポイント』〔労働開発研究会、第1版、令2〕という専門家向け書籍の公刊にあたって裁判例の動向分析を担当した経緯もあり、元々、専門的な知見に自信を持っていた分野です。今回の研究報告を通じ、更に理論的な研鑽を深めることができたと思っています。

 裁判例の錯綜した分野であるため、固定残業代に関する紛争を適切に処理するには、かなりの専門性が要求されます。しかし、一般の方が、弁護士の専門性の有無を判断することは、現実問題、かなり困難なのではないかと思います。

 専門家向けの書籍執筆、研究発表を行っていることは、ある程度分かりやすい能力の指標になると思います。頼れる専門家に心当たりがなく、お困りの方がおられましたら、ぜひ、お気軽にご相談ください。